美しきシャウエンの人々

  「この街に生まれた人は、みな一度は外の世界に憧れ、旅立つ。 でも、すぐに戻ってくるんだ。”ここよりいい場所はどこにもない”と言ってね。」     迷宮都市フェズの夜の喧騒から離れ、はるか山奥にある小さな街、シャウエンに向かいました。 (シャウエンへの行き方は少し難しいので最後に記しておきます。) ここは、道、建物、すべてが何もかも鮮やかなブルーで彩られた不思議な街です。               青い色の秘密   どこまでも続く美しい青い迷路。何回同じ入口から入っても、 違う場所に出てしまいます。迷うことがこんなに幸せに感じる場所も珍しいです。   この鮮やかな青い外壁の起源は1000年以上も前に遡ります。 8世紀から15世紀にかけて、イベリア半島(スペイン・ポルトガル)でおこなわれた レコンキスタ(国土回復運動)によって大勢のユダヤ教徒が故郷を追われることになり この地にやって来ました。   彼らはユダヤの色である青い装飾を街の至る所に施し それがこの地の伝統になったというこです。   故郷を失った人たちが、郷愁で染め上げた青。 そんな深い理由があったのですね。   おとぎ話のような、という形容詞がふさわしい幻想的な世界です。         シャウエンの人々 訪れてみて、青い街の美しさ以上に、ここに住んでいる人たちの暮らしに夢中になりました。   子供は地域全体で育てるもの。誰の子もみな自分の子のように思い、 大人たちは皆一様に温かい眼差しで子供たちに声をかけていきます。   まるで古き良き日本の田舎をみているようです。       水浴び場。すべての子供達が集まって、一斉に衣類と一緒に洗濯されていきます。笑     魔法使いのようなローブは、民族衣装のジュラバ。 映画スターウォーズのジェダイのマントの原型になりました。       日本と違い、男性同士のおしゃべりが目立つのもモロッコらしいところ。 アルコールが禁止されているムスリムの男性は、甘いお菓子やお茶で楽しく語らい、夜を過ごします。         女たちも元気。決して閉じ込められているわけではなく、街中の至る場所で家事や育児に精を出しています。     シャウエンに日が沈む。ちょうどこの時、ラマダンの直前。 夜通し、聖なる期間に入る前の、魂のこもったコーランが街中に響き渡りました。     ラマダン前夜   夜の散歩をしていると、城壁の外側にある何もない荒野に出てしまいました。 慌てて引き返そうと振り向くと、一面の星空が。 まるでスパンコールを散りばめた漆黒のカーテンのようで、絵本や劇をみているような 非現実的な光景でした。   背後から聞こえてくる、男女混声の美しいコーランを聞きながら シャウエンの夜空をみていると、一神教を信じていなくても 大自然と一対一で対話をしているような不思議な気持ちになります。             この街で画家をしている男性に出会いました。 砂漠で生まれたベルベル人である彼は旅を繰り返しながら、この地に魅了され、住み着き 以来シャウエンの絵を書き続けています。   よそ者として街の人と接しづづけた彼が話してくれたことが心に残りました。   「この街に生まれた人は、みな一度は外の世界に憧れ、旅立つ。 でも、すぐに戻ってくるんだ。”ここよりいい場所はどこにもない”と言ってね。」   僕もよそ者ですが、一度訪れてしまうと、その気持が少しわかります。 またいつか近いうちに、この街に戻って来たいです。       -シャウエンへの行き方   新市街にあるフェズ駅前のCTMカウンターに行きましょう。 タクシーのお兄さんにCTMとかいた紙を渡せば行ってくれます。 カウンターに着いたら、"シェフシャウエン"に行きたい、と伝えましょう。 シャウエンという言い方は一般的ではありません。 CTMカウンターのお姉さんは英語が少し通じます。   フェズからCTM(国営バス)を利用する場合(日帰り) 往路 8:00(フェズ)-12:00(シャウエン) 復路 18:00(シャウエン)-22:00(フェズ) 片道:70MAD…

モロッコの住まい。パティオのある暮らし。

  厳しい砂漠の自然の脅威から身を守り、家族と憩い客人をもてなす。 モロッコの人々の生活の中心はパティオにあった。     窓がなく、どこまでも壁が続いていく趣深くも物悲しい、迷宮都市フェズの街並。 これだけを観ていると、中の家もきっと貧相で素朴なのではないか。 そんな想像をしてしまいます。でも、彼らと我々では、住まいに関する考え方が全く異なるのです。         リアド(モロッコに古くからある民家を階層したホテル)に入れば、その答えがわかります。 この壁の入口の一つに入りこめば。               徹底的に居住性と快適さを追求した、美しい住まいが姿を表します。 大切なことは、中に。がモロッコ人の考え方。         まばゆいばかりのタイル装飾に、彫刻。刺繍の数々。       心地良く差し込む柔らかい日差しとそよ風は、パティオ(中庭)を作ることで、調整されたものです。 モロッコの中庭では家族が語らい、客人をもてなし、小鳥たちが舞い込んできます。   近代化の波によって、モロッコでは一時期、こういったリアド (リヤドとは、中庭のある家という古いアラビア語です。)から人々が離れていったことがありました。 そこをヨーロッパ人たちが見つけ、再び価値を見出し、こうして宿として提供するようになったようです。   今ではモロッコに訪れる人達の最高の楽しみの一つになっています。   何時までも残して欲しい、素晴らしい文化です。       もしフェズに訪れたら、ここRyad…

モロッコ 世界最大の迷宮都市 フェズで迷子になってみた。

  スペインを離れ、日が沈む地:マグレブへ。 世界最大の迷宮都市といわれる古都は、 日が昇る国、日本と対極にありながら、不思議な懐かしさのある街でした。 …

スペイン人は、決して怠け者ではなかった。

  バルセロナの夏の楽しみとして、地元の人に愛されているバルセロネータ海岸。 痛いほどの日差しと、地中海の冷たい海のコントラストがすごくて、 日本の海水浴場とはまったく質が違いました。 あの海水が塩でベトベトする感覚が全くありません。プールに入っているみたい。   海が嫌いな人にもおすすめできる素敵な海岸です。   ただひとつ困ったことが、、、       ヌーディストビーチなんです。。。   なのでカメラを携えているだけで悪いことをしているような気になってきます。 しかし、地元の人はそんなの全くお構いなしでした。   綺麗な海岸を撮っていたら、トップレスのお姉さん(超美人)に 「ちょっと君!!」と言われて、 (ああ、さすがにこの場所でカメラはまずいよなあ)思ってたら、   「旅行者は狙われるから、カメラの盗難に気をつけてね!」 と言われて拍子抜けしました。笑       はたして、日本の失業率がスペイン並みになった時、 私たちは彼らのように笑顔でいられるだろうか。       徒歩圏内にこんなに素敵な場所があって、いたるところに美味しいバルもあって。 お昼寝も許される社会。   スペイン人が、あんまり働かない理由もよくわかります。笑   でも、一般的に言われているスペイン人はルーズなやつ、というイメージは変わりました。   若年層の失業率が50%を超えても、彼らは全く気にしているようには見えません。   彼らは忙しいのです。 今この瞬間を楽しむために全身全霊をかけて努力しています。   バルで、サッカーで、おいしい食で、そしてお昼寝で。笑   仕事では妥協しまくりですが、遊びでは妥協をしません。 そのあたりはお祭りに対するエネルギーのかけ方などで、後々分かって来ました。   自然の恩恵により、何もしなくてもいつでもフルーツがたべられる南国とは違い、 街もお祭りも、習慣も、全て彼らがこの瞬間を楽しむために長い時間をかけて作り上げてきたものです。   少し、怠け者の質が違います。 能動的な怠けものといいましょうか。そうすることを選択しているのですね。     楽しいことにかける情熱は他の追随を許さないスペイン人。 特に料理に関しては、勢いが衰えてきたフランス料理界にかわって、 カジュアルに楽しめるスペイン料理が世界の美食の中心になってきています。   良くも悪くも、スペインではGDPの10%以上の六兆円が、観光業で賄われています。 物価の安さと温暖な気候と何よりあふれるホスピタリティを生かして、 この国らしい進化を遂げているんだと思いました。   働かなすぎは良くないですが、本来仕事は幸せになるため(誰かを幸せにするため)にするものですよね。 そのあたりのことを忘れがちな日本人。スペイン人の生き方に学ぶところが多そうです。   はたして、日本の失業率がスペイン並になった時、 私たちは彼らのように笑顔でいられるでしょうか。   今でさえ、毎日のように多くの人たちが自らの命を絶ってしまう日本。 彼らなら、「どうして死ぬことがあるの?」と理解に苦しむかもしれません。       あと、この海岸の楽しみ方で、ベタなのが バルセロナで1番パリエアが美味しいという有名なエスクリバ! 訪れたら是非食べてみてください。予約が必須です。   El…

バルセロナの朝と昼は市場で飲めば良い。

バルセロナで過ごすのに、レストラン探しをする必要がそんなになく、 ほぼ市場でよかったというお話。   バルセロナで人々の"陽気さ"と、"いい加減さ"と、、それと"いい加減さ"にカルチャーショックを受けた初日。 早くもそのいい加減さが良い加減になってきて、やたら強い日差しの中、あちこち散策しました。 (スペインの日差しは暑いというより痛いですね。今度から大きな帽子持参します。) で、とりあえず何軒かバルをめぐって美味しい楽しいしてたんですけど、 好奇心でこの美味しい食材はどこから来たのか気になり、市場に行ってみたわけですね。       有名なボケリア市場です。     あれ?     あれれ??       もしかして、、     市場で飲んで食べれる!   しかもバルやレストランで食べるより圧倒的においしくて安いんです。 ハモンセラーノ(生ハム)食べきれないサイズで3ユーロとか、 マッシュルームのサンドイッチ(写真にある串揚げのこと)1ユーロとか。 カヴァ(スパークリングワイン)3ユーロとか。。   市場の真ん中にイートインカウンターみたいなところがあって、そこで地元の人はご飯食べてるんですね。   高級な魚介もフルーツもあるし、ここ以外で食事する必要が余りありません。   というわけで一日のスケジュール   朝:市場を散歩。フルーツとクロワッサンで朝食。(3ユーロ) 昼:市場の中のバルでトルティージャ、サラダ、魚介、生ハムなどタパスたちとワインたくさん。(8ユーロ) 夜:バルかレストランへ   という感じのコースがおすすめ。朝から昼は市場を中心に市街地を観光して、 夕方になったらビーチにいったり少し遠くまで出かけるという流れが効率がいいかんじです。 市場近くのホテルにしておけば、合間にシエスタ(お昼寝)も出来ますからね。   値段の相場かいておきます。 パン(パン屋さんで買う)1ユーロ〜2ユーロ(結構な量) おつまみ(バル、お惣菜屋さん両方アリ)2ユーロから5ユーロ お酒(ワイン、ビール、スパークリングなんでもあるよ)3ユーロ〜 フルーツ(ベリー系など充実してました)2ユーロ〜 こんなかんじでした。特に朝から飲んでる人たちの楽しそうなことと言ったらありません。 仕事を持っていったんですが、初日で労働意欲をそがれてしまいます。ノマドの人は注意。       ボケリア市場 Rambla,…

バルセロナでノマドの生命線を確保する方法

結論から言うと、アジアや他の欧米諸国とくらべて スペインでは生命線を確保するのが大変でした! 痒いところに手が、届きません! 英語、通じません! あらゆるものがいい加減です!笑 ですので初日にやっておいたことをメモしておきました。   空港着 スペインオルティゲイラへの長い旅。まずはバルセロナエルプラット空港へ。居心地もいいしおしゃれな空港です。 ....おしゃれ、なんですよ。なんですけどヘルシンキ国際空港にくらべるとアラが目立ちます。   完全に国民性がでていますね。サインのデザイン、一見かっこいいけど、よくみるとずれてます。笑 今思えば、このズレこそが、このあとのスペイン旅での苦労を予感させていました。 細かいことはどうでもいい人たちなのです。       バスに乗る まずは市街地へ T1…

どうして旅行好きの人はフィンエアーをよく使うのか。

    スペイン・オルティゲイラへの旅は フィンエアーでいきました。 とても評判の高い航空会社だったのに 意外なほどヨーロッパ行きのチケットが安く驚きました。 ヘルシンキ経由で往復10万円程度。 フィンエアーの良い噂は色々聞きます。 以前から、ヨーロッパに慣れている人たちの間ではフィンエアーを使うのが半ば常識化されています。 その人気の秘密について実際に使って考えてみました。     1・フィンエアーは安全       ドイツに拠点を置き、世界の航空機事故などの評価を行っているJACDECが定めた 2012年の航空会社安全ランキングというものがあります。   http://www.jacdec.de/jacdec_safety_ranking_2012.htm   フィンエアーは1位。ちなみにJALは47位です。 1963年以来一度も事故を起こしていないというのは他の航空会社と比べると驚異的です。 フィンエアーのサイトを見てみると、もう安全については何のアピールもしていないで 環境配慮のことばかり書いてありますね。落ちないのが当然。という自信を感じます。 多い時には月に4回くらい飛行機乗ってる私ですが、 実はビビリなもので、この落ちない飛行機ってのは重要です。 上記ランキングで最下位の航空会社、中華航空。 実は友人のお父さんが大事故を起こした飛行機に仕事の延期で乗れずに 間一髪助かったという事があり、それ以来乗るのを控えております。。 いまでは中華航空も安全性を改善し始めているみたいですけどね。。   2・フィンエアーはおしゃれ         空の旅をマリメッコで楽しめる至福。   "2001年宇宙の旅"を彷彿させるレトロフューチャーな制服も素敵です。   3・空港自体に魅力がる。   そしてもうひとつの魅力は必ず立ち寄るヘルシンキ国際空港。       空港内のサインのデザイン、長居したくなる空間デザイン。 そして、空港内で買うことができるフィンランドのパッケージデザインを楽しめます。 長居ができる空港を拠点にしているというのは航空会社にとって強力なアドバンテージですよね。乗り継ぎの都合で10時間くらいここにいなくてはいけなくてもさして困らないと思いました。Wi-Fiも強力ですし、ここで仕事のメールをチェックしたり作業をすることができます。 また、この空港は他の欧州の空港と比べると作りが非常にシンプルで迷いにくいというメリットがあります。 このあたりが旅行好きの人たちの間でフィンエアーが人気である、大きな要因になっているようです。     4・ムーミン                     もちろんムーミンショップもあるよ。 笑えることに、空港内のムーミンショップは、90%日本人です。 でも、ここでしか買えないグッズもあるし、群がるのも仕方ないか。。   今後もヨーロッパ行きにはできる限りフィンエアーを使いたいと思います。 さて、日本の航空会社、空港は外国人からみてどんなふうに映ってるのかな。。。    

スペイン→モロッコの旅にいきました。

  7/5日~7/15まで添付の図のルートで旅をして参りました。 バルセロナ→フェズ→シャウエン→タンジェ→マドリード→オルティゲイラ→バルセロナ メインの目的は、スペインで行われる世界最大級のケルト音楽祭のメインゲストになった…

僕が旅に履いていく靴3つ(とおまけ)

旅をしていると、とにかく歩きます。 タクシーがいつもつかまるとは限らないし、 歩くこと自体が目的の市場巡り ハイキングに山登りもあります。 また、国や地域によって歩きやすい道もあれば悪路もあり、 乾燥してる場所もあればベトベトしてたりするところもあります。 歩いて疲れないということは、いろいろな場所に行けるということですから これは旅の楽しさに直結します。 知らないうちに溜まっていく疲労は旅先での病気や怪我を招いたりします。 では、とりあえず旅行に行く時に、シチュエーションが…

デジタルハリウッドバンコク校でデザインを教えることになりました。

  タイに進出している日本のクリエイティブスクール、デジタルハリウッドのバンコク校で講師をすることになりました。 http://www.dhw.co.th/teacher/ ←タイ語のページ。 BBT大学ではビジネスパーソンにWEBデザインを、という授業をさせていただいておりますが、 こちらでは、文化の違う場所で文化の違う人達と"デザインとは何か"について考えることで、自分自身を含めた日本人のものづくりの本質とはどんなものか探って行きたいと思っています。 とりあえず初日終了。学生さんが大体英語で話せるのがすごい。 そしてもちろん、毎月のように日本と行ったり来たりですし、相変わらず日本の案件も以前と同じようにさせていただいております。(授業は週二回。他の日はデザイナーです。) あいつは外国だからな、、、とあきらめずにお仕事のオファーもお待ちしております。そこんところ、、お間違えのないよう何卒よろしくお願い申しあげます。笑